日食写真にひとくふう のお話

 来る5月21日、日食が起こりますね。最近、新聞やインターネットの記事でもよく見かけるようになってきました。日本では、関東から九州にかけての太平洋側の広い地域で、太陽がリング状に見える「金環食」が起こります。その他の地域では、2年前と同様の「部分日食」となります。ぜひ観察してみたいものですね。

 地域ごとの見え方や、日食の起こる時刻、安全な観察方法などは、国立天文台こちらで公表されていますので、参考にさせてもらいましょう。日食のおおまかな原理については、「カガクのじかん」でも2年前に記事を書いていますので、ご参考までに。

 さて本日の「カガクのじかん」は、ちょっと工夫しておもしろい日食写真を撮ってみませんかというお誘いです。2年前の日食のときにおもしろい写真が撮れたので、今回は早めにお知らせしてみようかなと。

2年前の日食写真

 まずこちらをご覧ください。2年前の皆既日食のとき、私の住んでいる地域では部分日食となり、太陽が三日月のように欠けました。そのときの写真です。


 三日月みたいな形がたくさん。しかも三日月みたいな形にならんでいますね。どうなっているのでしょう。もちろんこれには仕掛けがあります。

 まず、厚紙に三日月のような形を描き、そのふちに好きなように点をうちました。そして、この点のところに、鉛筆などを利用して直径1〜2mmぐらいの穴を空けました。さらに、三日月型の内側の穴だけに黄色のカラーセロハンを貼ったのです。


 このような小さい穴を通して、風景からの光を壁などにあてると、風景が逆さまに映るという性質があります。これは「ピンホールカメラ」というものの原理です。だいたい次の図のようなイメージです。三日月型に欠けた太陽からの光が、この小さな穴を通ると、逆さまの形で壁に映るのです。


 つまり、厚紙に空けた穴の一つ一つから逆さまになった太陽の像ができて、最初にご紹介したような写真が撮れたというわけです。

ほかにも

 ほかにも、魚のような形の型紙をつくって、そこにこのように穴を空けて、カラーセロハンを貼りまして・・・。


 日食中の太陽の光をあてると、ほらこの通り。



 こんな風に、工夫次第でいろいろおもしろい写真が撮れそうです。どんな風に穴を空けるか、色はどうするか、像を映す壁にはなにか工夫をするか、など・・・。この記事をご覧になった方、もし気が向いたら取り組んでみませんか?

【参考】

出典

この記事はちゅーピー子ども新聞 59号(2012年4月15日発行)7面に掲載した記事を加筆修正したものです。

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