見えなくなってもそこにいる のお話
今年も梅雨の季節がやってきました。雨の日が多くて、なんだかじめじめしますね。今回は、この「じめじめ」について、立ち止まって考えてみましょう。
水がなくなる
水は放っておくと徐々に減っていきます。例えば、道路に水をまいてしばらく放っておくと、水がなくなります。雨で道路がぬれても、いつの間にか乾いていますよね。ということは、コップに水を入れて部屋の中に置いておくだけでも、水が減っていくのでしょうね。
でも改めて考えてみると、コップに入れた水が減っていく様子をじっくり注意して見たことはないような・・・。だいたい、普通は水が減る前に飲んだり片づけたりしますものね。そこでちょっと観察してみました。動画をご覧ください。
小さなコップから水が全てなくなるまでに1ヶ月ぐらいかかりました。だいたい1日あたり1mmずつぐらい水位が下がっている計算です。なるほど、これなら気づかなくても無理はありません。
水はどこへ
もちろんこれは、水が道路にしみこんだり、コップのどこかからもれ出しているのではありません。もちろん、消えてなくなってしまっているのでもありません。水が蒸発して「水蒸気」という気体になったため、見えなくなっただけですね。
空気中に含まれる水蒸気の量が多くなってくると、新たに水が蒸発しにくくなってきます。ですから、かいた汗が蒸発しにくくなり、いつまでも体に汗がくっついたままになります。これが不快な「じめじめ」の原因でしょうね。エアコンの「ドライ」という機能を使えば、室内の水蒸気だけを取り除いて室外に出してくれるので、快適になります。「ドライ」という機能も、ちょっと調べてみるといろいろ工夫がなされているようですね。こちらなどをお読みください。
最後に、ちょっと面白い観察をおすすめします。雨が降って部屋の中がじめじめしている日の朝に、お皿に塩を山盛りに入れて、部屋のどこかに置いてみてください。夜寝る頃までには、塩が水でぬれたようにべとべとになっているでしょう。これは、空気中の水蒸気が塩に吸い込まれて水にもどっているのだと思いますよ。読者の皆様も試してみられてはどうでしょう。私も試しているのですが、今年はまだ観察できていません。
出典
この記事はちゅーピー子ども新聞 63号(2012年6月17日発行)7面に掲載した記事を加筆修正したものです。